台湾駐在員報告
2014年6月 経済 駐在員 : 宮崎悌三
日本と台湾の観光交流の促進について話し合う「第7回日台観光サミット」が、5月23日、台湾南部の屏東県のリゾート地、墾丁(こんてい)で開催され、当事務所も日台の観光団体関係者(180名以上)の一員として参加した。サミットに参加した台湾側の関係者からは、日台相互訪問者数は今年、400万人に達するのは間違いないとの発言があった。
一口に400万人と言ってもピンと来ないが、昨年1年間(1月から12月)の日台相互訪問者数から発言の根拠を探ってみたい。台湾から日本へ訪問した人の数は234.6万人、日本から台湾を訪問した人の数は142.2万人で、計376.8万人であった。この数字は、大雑把ではあるが、台湾の約10人に1人、日本の約100人に1人が、互いの地域を訪問しているという計算になる。今年の1月から3月までの相互訪問者の実績を昨年と比較してみると、台湾は約40%、日本も14%の伸びを示し、このペースを維持した場合、間違いなく今年は400万人を超えるとの発言になったのである。
日台観光サミットは、奇数回を台湾、偶数回は日本で交互に開催している。日本で最初の「第2回日台観光サミット」(2009年)の開催地は、実は静岡県で、富士山静岡空港が開港した年と重なっている。その年の日台相互訪問者数は、約211万人。相互訪問者数を300万人にしようというのが当時の目標だったが、昨年その目標を軽く突破してしまった。静岡県でサミットが開催された年と比較すると、この4年間で約1.8倍の伸びを示したことになる。これは、日台間で自由に航空路線を開設することができる、いわゆるオープンスカイ(2011年)で日台間の路線数が増えたことや東日本大震災での台湾からの多額の義捐金などを通じて親日的な台湾との相互訪問が増加したことなどが影響している。
今回のサミットの開催地である屏東県は、約90年ほど前、静岡県袋井市出身の土木技師で、同県内の地下ダムを設計した故鳥居信平氏と縁のある地である。屏東県の知事は挨拶で、現在も大切に使われているこのダムのことを日本との絆の一例として触れていたが、この絆を相互交流の促進につなげていこうという関係者の熱気が、終始サミット会場を包んでいた。
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