韓国駐在員報告



2015年5月 経済
駐在員 : 松村昭宏


韓国の海洋水産部は4月28日の閣議で、日本海(韓国では東海)の海洋深層水を活用して食品、農業・畜産業、海洋エネルギーなどさまざまな産業の育成を目指す「海洋深層水融合・複合産業育成案」を報告した。

海洋深層水は太陽光が届かない水深200m以深の深海に存在し、栄養塩類が豊富で有機物や病原菌をほとんど含まない。日本海(東海)の海水の約95%が海洋深層水である。海洋水産部は海洋深層水を用いた食品産業の育成に向け、現在はキムチ類など6種類の食品に使用を限っている海洋深層水の処理水を全食品に利用できるよう、2015年上半期中に法改正する方針だ。また、未来創造科学部などと連携して海洋深層水の効能を研究し、これを基に高付加価値の機能性食品や健康補助食品を開発する。海洋深層水を活用した病虫害予防研究、高機能性農作物栽培研究を農林畜産食品部と共同推進するほか、産業通商資源部と連携して海洋温度差発電システムの開発などにも取り組む。

韓国ではこれまで、海洋深層水の活用は飲用が中心で、食品分野でも豆腐やキムチなど一部の食品に限って使われてきた。化粧品や農作物栽培にも活用した例があるが、活性化には至らなかった。海洋水産部は、海洋深層水産業と他の産業を融合させ、新たな成長エンジンに育てることで、2024年には1兆5千億ウォン(約1,670億円)規模の新規市場が生まれ、1万4千人の雇用創出が見込めるとしている。

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