東南アジア駐在員報告



2002年5月 経済
駐在員 : 岩城 徹雄


    ・シンガポール、予算案で法人税減税発表
    シンガポールのリー・シェンロン副首相兼蔵相は5月3日に2002年度の予算案を発表した。目玉は税制で、現在24.5%となっている法人税の税率を2003課税年度から22%に引き下げ、さらに3年以内には20%まで下げる。個人所得税についても、現在26%の最高税率を、2003課税年度から22%に引き下げ、さらに3年以内には20%まで下げる。税収減を補うために、現在3%の消費税を2003年1月から5%に引き上げる、という内容。この他、企業税制では、赤字企業の損失を同一グループ内の黒字企業の利益で補填することを認める、消費税増税に対する個人向け救済策として、擬似株式(2001年11月のトピックス参照)の「経済再生株式」を追加配布するなどが盛り込まれている。歳入は対前年比7.3%減の292億1,400万シンガポールドル(約2兆440億円)、歳出は同じく2.3%増の283億2,900万シンガポールドル(約1兆9,830億円)。黒字幅は大きく減少しほぼ収支均衡予算となったが、実際は赤字になることが予想されている。
    4月から始まる会計年度の予算案発表は通常は2月に行われているが、独立以来最大の経済危機ともいわれる状況のもと、適切な対策を講じたいとの政府の意向で経済状況の推移を見てからの発表となった。リー副首相は予算案発表と併せて、今年のGDP成長率の政府公式予測をこれまでの1〜3%から2〜4%に上方修正すると発表した。2002年第1四半期のGDP成長率(速報値)が−1.7%となり、マイナスながら前期2001年第4四半期の−6.6%からは改善しており、景気は回復に向かっていると見ているようである。
     

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