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ヨーロッパ駐在員報告
1999年9月 社会・時事 駐在員 : 森 貴志
人前での授乳はマナー違反
マナー書の出版では最高の権威を誇る英国「デブレッツ」出版の新しいエチケット本の中で、「マナーのよい母親は、公共の場で授乳しない。」との記述が物議をかもしている。
200年以上の歴史を持つ当社から出版された「エチケットと現代マナーのニューガイド」には、「公共の場で身体の穴から液体を出すことはマナー違反で、授乳も例外でない」と書かれている。さらに、「かつて、公共の場で授乳する権利を主張した運動があったが、その習慣が広がらなかった理由は、周りの人に恥ずかしい思いをさせ、不快感を与えることも少なくないため。」と説明している。
これに対し、妊産婦の擁護団体「全国出産トラスト」のベリンダ・フィブス代表は、「女性には、いつでもどこでも授乳する権利がある。」と主張。「マナー本の時代錯誤などの主張に惑わされず、授乳の権利を訴えるキャンペーンを続けていく。」と決意を示した。
「マナー違反」と「権利の行使」とは議論の方向が違うように思えるのであるが、イギリスというマナーに敏感な国民性がこうした2つの対立する論争を生むのであろうか。ちなみに「汗と涙」も同様なのであろうか。
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