東南アジア駐在員報告
2015年10月 経済 駐在員 : 吉住理恵子
9月6日から12日にかけて、静岡県中小企業団体中央会、静岡県食品産業協議会、静岡県国際経済振興会(SIBA)の共催で、ベトナム・カンボジアへのミッションが実施され、県内企業、工業団地関係者等約30名が発展目覚ましいプノンペン、ホーチミンの商業施設や、静岡県所縁の進出企業、建設中の工業団地やレンタル工場などを視察した。
プノンペン経済特区内に進出し、スポーツシューズの衝撃吸収材の生産をしている日経企業は、中国に次ぐ海外拠点として2013年から生産を行っている。複数行程を1人で行う日本人の多能工とは違い、カンボジアでは特性と人件費の安さを活かし一人一行程で人海戦術の生産体制をとっている。ホーチミン近郊に進出して17年目となる輸送用機械器具メーカーでは、ここ2年ほど中国拠点からの生産移管により生産が増えているとのことで、チャイナプラスワンの現場を目の当たりにした参加者からは、従業員教育の困難点などについて多くの質問がでた。
ベトナムやカンボジアには流通の大手イオンが積極的に大型店舗を展開しており、今回はホーチミン1号店とプノンペンの店舗を視察した。参加者は想像以上に旺盛な現地消費力に驚いていたようだ。イオン店内では「トップバリュー」などのPB商品をはじめ、加工食品や菓子などは日本からの輸入品も多く、本県の加工食品分野の企業にもアジア市場への展開で、新局面を拓くことを期待したい。
成熟市場の閉塞感の中でも消費者が過度とも思えるサービス向上を求める日本と違い、現地の若者とともに生活水準や経済成長に貢献できるという充実感を感じる、という現地駐在員の言葉も強く印象に残った。
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