台湾駐在員報告



2017年2月 経済
駐在員 : 内藤晴仁


昨年末から台湾で話題となっている日本産食品の輸入規制緩和に関する議論が、暗礁に乗り上げている。

当初、立法院(日本の国会に相当)で多数を占める政権与党(民進党)のイニシアティブで早期の規制緩和が行われると見られていたが、野党(国民党)等の反対のほか、12月に入り日本産食品検査の過程で輸入禁止地区(福島県、茨城県、栃木県、群馬県及び千葉県。2015年5月に台湾当局が指定)で製造された製品の混入が発覚したことから、風向きは大きく「規制緩和反対」の流れに変わった。
 
 その後も、連日のように複数の日本産食品の中から輸入禁止地区の製品混入が発覚したため、行政院(日本の内閣に相当)は「十分な管理体制が構築できるまで緩和を見合わせる」と発表。蔡英文総統も規制の緩和を急がない考えを示し、日本産食品の輸入規制緩和は先送りとなった。
 
 なお、衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)はホームページで、今後日本産食品の輸入に関する「管理体制の構築」を行う旨を公表した。これは、日本産食品に対し都道府県名まで記載した原産地表記のある中国語ラベル添付等を求める等、事実上、日本産食品の輸入規制を強化した内容となっている。管理体制強化の影響で通関できない食品が発生しているとの情報もあり、現場では既に影響が出ている様子である。
 
 通関できない日本産食品の発生は、日台双方の企業に被害をもたらしている。良好な日台関係の基礎の上で、双方が知恵を出し合い、納得する方法で、早期に問題が解決されることを願ってやまない。

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