中国駐在員報告



2020年1月 社会・時事
駐在員 : 土屋 岳久


11月20日、高鉄(中国における新幹線)上海虹橋駅で電子切符制度が導入された。中国人の乗客は、乗車券の購入の際、切符は発行されずに高鉄のコンピューターシステムに乗客の身分証番号(マイナンバー)が記録され、乗客は身分証を自動改札にタッチすることで切符無しで乗車することができるようになった。
この電子切符制度は昨年11月に海南島を一周する高鉄の駅で導入されたのを皮切りに、順次中国全土の主要路線の駅に導入され、現在は230の駅に導入されている。
なお、身分証を持っていない私のような外国人は、システムにパスポート番号が記録され、改札で係員にパスポートを提示して購入記録を確認してもらい、改札を通過するようになっている。
11月26日付の中国新聞網では、この電子切符制度の導入により、乗車券購入や改札通過における時間短縮が図られ、チケット紛失の心配がなくなるというメリットがあるほか、乗客数が昨年同様と仮定した場合、切符に使用されていた紙1.5万トンが削減できると報じている。
一方、12月12日付の中国青年報では、年配層や農村部からの出稼ぎ者等を中心に電子切符制度が導入されている駅の利用者の半数がこの制度を理解しておらず、逆に不便を強いられており、また、領収書代わりであった乗車券が無くなり、必要な者に領収書を発行する手間も生じ、結果、紙の消費量が削減されないと報じている。
この電子化が今後どのように広がっていき、どのように根付いていくのかについて引き続き注視していく。

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