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ヨーロッパ駐在員報告
2001年2月 社会・時事 駐在員 : 森貴志
罰としてナチス制服強要
英紙ガーディアンは、ロンドンの金融街シティーで働くユダヤ人の男性が、遅刻の罰としてナチス・ドイツの制服を着るよう要求された行為は人権侵害だとして、元の雇用主である英為替ブローカー、タレット・トーキョー・リバティ社を訴えたと報じた。なお、同社には日本の株主も出資しているという。
同紙によると、この男性が昨年まで働いていた同社の部署では、遅刻の罰として屈辱的な格好をさせる慣行があり、例として英領北アイルランド出身のプロテスタントの職員はローマ法王の格好をさせられるなどしていたという。
この男性は、祖母がナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所で殺害されたとして、この制服着用を拒否したところ、配置換えと、減給が実施され、その結果会社を辞職した。
訴えに対して同社側は「行き過ぎた行為があった」と認め、この慣行をやめさせたが、一方で訴えた男性自身も他の同僚への罰には「熱心に」加わっていたと反発している。
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