東南アジア駐在員報告
2017年5月 経済 駐在員 : 竹田敏彦
ふじのくに食の都仕事人の田形治氏(手打ち蕎麦たがた:静岡市)が、4月25日と26日の二日間、シンガポールの高級寿司店「はし田」の4周年記念イベントへ参加し、現地の美食家に対して静岡県産の蕎麦を振る舞った。ディナーのそばコースSGD450(約36,000円)、ランチはSGD250(約20,000円)という強気の値段にも関わらず、二日間とも多くの常連客から予約が入っていた。コースでは静岡県産のそば粉を使った蕎麦に加えて、そばチップ、そばの実や、そばがきなど、美しく盛り付けられた数々のそば料理が提供された。
記念イベント開催前には、ミシュランガイドなどを含む現地メディア12社が集められ静岡の蕎麦が紹介された。関係者は、田形氏がそば粉に少しずつ水を加えながら、こね、延ばし、最後に繊細な蕎麦に切り分けられるまでの一挙一動を凝視し、カメラに収めていた。飽和状態と言えるほど多数の日本食レストランがあるシンガポールでも、まだ日本と同じレベルの蕎麦は滅多に食べられないようで、その後の試食では、多くの方が日本の香り高い蕎麦に驚いていた。最後の質疑応答でも、「音を立てて蕎麦をすする理由」、「シンガポールで食べられる蕎麦と日本の蕎麦との違い」など様々な質問が田形氏に投げかけられていた。
田形氏は、シンガポールのメディア及び消費者からの予想以上の好意的な反応に驚き、次の一手の検討を始められるようだ。
当案件は、静岡銀行、ヤマト運輸、ANA総合研究所及び県の4者で締結した静岡県産品の販路拡大に向けた連携協定の初の事例であり、県ではイベント告知と現地での運営支援を実施した。
今回は、「はし田」というブランドを活用することで、地元メディア及び影響力のある消費者へ効果的にリーチすることが可能となった。今後も当事務所では、こうした有効な手法により、静岡県産品の東南アジアでの販路拡大に注力していく。
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