東南アジア駐在員報告
2015年10月 経済 駐在員 : 吉住理恵子
9月2日から4日の3日間、シンガポールのマリーナベイサンズ・コンベンションホールで、環境に配慮した世界最先端の建築資材・機材展示会Build Eco Expo(BEX)2015が開催された。
国別パビリオンの中で、ジェトロ(日本貿易振興機構)は最大の規模のパビリオンを出展し、浜松市の製鋸メーカーなど14社が出展した。
シンガポールでは、マリーナ地区を中心に次々と新しい建築物や地下鉄、高速道路など公共交通の延伸が計画され建設需要は大きい。2005年に建築・建設業管理局(BCA)が建物の環境配慮水準を評価する「グリーンマーク奨励制度」を開始し グリーンマーク・ゴールド認証を取得するとオーナーや建築家、ディベロッパーなどに助成金が支給されることもあり、環境に優しいグリーン建築技術へのニーズは高まっている。
遮光性が高くかつ反射角を工夫することによって建物内のみならず周辺の地上の温度上昇を抑える効果のあるガラスなど、熱帯のシンガポールならではの需要を狙う日系企業などが出展しており、出展者からはこうした技術は外部性が高く、現時点では民間企業よりも政府関係者をターゲットに売り込みを図っている、との声も聞いた。
特に、シンガポール政府に評価された技術は、パッケージとして他の民間ディベロッパーや東南アジア諸国の建設プロジェクトの採用に繋がるケースもあるようだ。ピンポイントでも特徴的な技術を持つ中小企業には、国内のみならず、ジェトロのサポートを受け海外展示会に出展し、東南アジアの市場を開拓するのも、ひとつの方策であろう。
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