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東南アジア駐在員報告
2000年7月 政治 駐在員 : 岩城徹雄
インドネシア・ワヒド大統領、公私にわたり難門山積
インドネシアのワヒド大統領は、6月20日にエジプトを訪問した際「8月に内閣を改造する」と発言したが、約1週間後にこれを撤回した。内閣改造発言は、遅れ気味の経済回復を進めるため専門家を配したい、あるいは、挙国一致の連立内閣で、閣僚の中には政府より出身政党を重視している者もおり自分の政策推進に支障がある、との考えに基づくものと思われるが、帰国後、重要課題の解決が先との見方を示し、内閣改造を否定した。
国内では、ワヒド大統領の発言がよく変わるのには慣れてしまったためか、地元紙では新閣僚の顔ぶれも決まり発表を待つだけと報じたところもあり、経済閣僚の候補者名などがとりざたされている。
ワヒド大統領は、昨年10月末に就任後、頻繁に外国へ出張し積極的に首脳外交を展開しすぎたためか、99年から2000年にかけての外国出張のための予算の98%を早くも使い果たしてしまった。国内には、各地で頻発する宗教対立抗争やパプア(イリアンジャヤ)の独立問題、他のASEAN各国に比べ遅い経済回復度、通貨ルピアの安値や低迷する株価など国内に難問が山積している。さらに自らは、食糧調達庁の公金横領疑惑に関連し警察で事情聴取を受けるなど厳しい状況にさらされている。
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