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韓国駐在員報告

2014年12月 経済
駐在員 : 野原靖


2014年(平成26年)11月12日〜15日にかけてソウル市のコンベンションセンターCOEXで行われた「 FOOD WEEK KOREA2014(ソウル国際食品産業展)」を視察した。27か国1,000社が1,800ブースを出展し、各国バイヤーと活発に商談を行っていた。主な出展物は、健康・機能性食品、オーガニック食品、調味料、農畜水産物、製菓・製パン用資材、食品加工機器など非常に多様であった。
日本からは、北海道、青森県、秋田県、宮城県、新潟県等が県内企業を募り出展していた。福島第一原発の汚染水漏れを受け、2013年(平成25年)9月から、韓国側は、福島県など日本の計8県の水産物については輸入を全面的に禁止しており、韓国での水産物の安全性への信頼はまだ完全には戻っていない。但し、こうした厳しい環境下でも、韓国側企業と共に、順調に販路を拡大している企業が何社も見られた。
 一例を挙げると、新潟県魚沼市の株式会社ゆのたには、2年前に韓国の大手食品メーカーのハリム社と組み、新潟県産こしひかりの切り餅を韓国内で販売開始。現在、TVホームショッピング、ネット販売、百貨店、大型マートなど販売チャネルを次々に増やし、認知度をあげている。さらに、同社は、ソウルのビジネス街で弁当屋を3店舗展開しており、会議時の弁当などを中心に販売を伸ばしている。また、放射能検査による輸送期間への大きな影響もなく、新潟からソウルまで約1週間で納品できている。
同社社員から詳細を伺い、同社事業の成功理由を4点窺い知ることができた。一つ目は、「優良なビジネスパートナーの確保」である。大型マートや百貨店など様々な流通形態と取引がある食品会社と組むことで、短期間で効率的に韓国市場に切り餅を普及させている。
 二つ目は、「賞味(消費)期限が長い商材」であること。切り餅の賞味期限は1〜2年でバイヤー側の不良在庫のリスクも低い。
 三つ目は、「韓国市場に適した商材」であること。韓国では鍋の具材やトッポッキなど何かと餅を食する文化が根付いており、受け入れられやすい。四つ目は、「韓国の餅との差別化」である。韓国の餅は日本の餅より歯切れがよい。粘り気が強く非常に柔らかい同社の切り餅を高級路線にポジショニングし、富裕者層をターゲットに韓国の餅と差別化を図っている。そもそも、企業がマーケティング戦略を立案する際、セグメンテーション(S)、ターゲティング(T)、ポジショニング(P)の3つの基本フレームワーク(STP)を用いる。セグメント(S)とは、市場を不特定多数と捉えず、共通のニーズを持ち、購買行動が似ている顧客を、世代やライフスタイルなどの切り口で括ること。ターゲティング(T)とは、複数のセグメントの中で、市場成長性、競合状況、自社の優位性等を考え、セグメントを特定すること。ポジショニング(P)とは、ターゲット市場の中で自社製品が優位性を発揮できる位置を見つけ出すことである。今回のケースでは、日韓両パートナーがマーケティングの基本にのっとり、戦略的に事業を展開していると感じた。なお、今後は、餅のレパートリーを増やし、新たな餅の食べ方も提案していくようだ。
 当ソウル事務所としても、EXPO商談会や交流会等で築いたバイヤーや食品メーカー等の人脈を活かし、今後県内企業と韓国企業間のビジネスマッチングを進めていく。


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