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台湾駐在員報告

2022年8月 経済
駐在員 : 宮崎 悌三


 台湾南部の屏東(へいとう)県で、日本統治時代に建設された地下ダム「二峰圳(にほうしゅう)」が来年で竣工100周年となることを記念する式典が開催された。
 この地下ダムは、静岡県袋井市出身の鳥居信平(とりいのぶへい)技師が、現地の地形・地質などを5年間、丹念に調査・研究し、当時においてあまり例がない独創的な工法を用いて設計された。建設には、地元住民の理解と協力を得て、約2年かけて完成。伏流水をためる構造の地下ダムは、下流域の約2500ヘクタールの土地を潤し、当時の重要輸出品となっていたサトウキビの作付け面積の拡大を実現させた。
 地下ダムに隣接する公園で開催された式典には、蔡英文(さいえいぶん)総統、蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相に相当)、潘孟安(はんもうあん)屏東県長が出席したほか、鳥居技師の孫にあたる鳥居徹東京大学名誉教授らも日本から駆け付けた。
 来賓として挨拶に立った蔡総統からは、鳥居技師や地元住民への感謝の意が表され、蘇院長からは、台湾で100年前に先進的な灌漑施設を建設したことを今に活かすことの重要性について話された。
 この施設が、日本人技師が設計したものであることで、注目度が高まったことに加え、100年もの間、環境に負荷を掛けず、天候に大きく影響を受けることもなく、安定的に良質な水を供給(25万トン/日)していること、時代を先取りした工法を用い、国際的な「持続可能な開発目標(SDGs)」にも合致していること等が、改めて評価されている。
 水資源は、土地・電力と並んで経済発展に不可欠であるが、近年の気候変動により、台湾では水の供給が不安定となっている。台湾当局としても、良質な地下水の安定供給を注視しており、地下ダムが注目される背景にはこうした台湾の水資源の問題がある。
 屏東県が主催した今回の行事は、従来の技術者や研究者に向けた内容ばかりでなく、経済発展、観光による地域振興(地方創生)、地域理解のための子どもへの教育、日台友好等、多面的な切り口で実施されていた。
 今も生活に欠かすことのできない地下ダム。地下ダムを大切にする教えを今も受け継いでいる住民の一人が、祖父の時代に鳥居技師と一緒に地下ダム建設に携わったことを誇らしげに語る表情が印象深かった。


【図】会場で放映された大場袋井市長のビデオメッセージ(手前右3は蔡総統)


【図】川勝知事書簡を潘 屏東県長(左)に手渡す


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