東南アジア駐在員報告
2015年9月 政治 駐在員 : 吉住理恵子
昨月、報告した政府系ファンド「1MDB」をめぐるナジブ首相の不正疑惑について、強い国民の反発が大きな広がりを見せている。
クアラルンプール(KL)中心部では、31日の建国記念日を前に、29日「ブルセ(Bersih:マレー語で「公正」を意味する。)」デモを実施。
警察発表は参加者数25,000人だが、黄色のシャツを着た若者達が、国旗を振りながら行進する現場の映像を見る限り、もっと多くの参加者がいたように思える。海外にいるマレーシア人にも、この動きへの支持は広がっており、マレーシア国籍を持つ当事務所のローカルスタッフも自身のFacebookのトップ写真を黄色に替え、「Bersih」の文字を掲げて、KLのデモに関する友人の投稿をシェアし続けている。
50年前にシンガポールがマレーシアから分離・独立した時に等価だったマレーシアのリンギの対シンガポールドル(Sドル)相場は24日、史上最安値の1Sドル=3リンギ台となった。シンガポールとマレーシアの今日の姿を象徴しているが、マレーシアの混乱はシンガポールにとっても望むものではない。
アジア市場の活力を取り込んでの成長を期する我々としては、事態が深刻化しないことを祈りつつ、引き続き事態を注視していくしかない。
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