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台湾駐在員報告

2018年4月 行政
駐在員 : 宮崎 悌三


台湾海峡を横切る北回帰線にまたがる位置に澎湖諸島はある。澎湖諸島へは、台湾各地から飛行機や船の定期便があり、気軽に訪れることが出来るが、多くの日本人にとってはあまり馴染みがない場所である。澎湖諸島は、かつての火山活動による玄武岩と珊瑚礁に囲まれた90の島々から形成されている。澎湖諸島は全て澎湖県(以下、同県という。)に属し、中心産業は、漁業と観光で、住民は約10万人である。台湾本島の人々にとってリゾート地である同県は、特に夏場は賑わいを見せるが、冬場は、台湾海峡を渡って吹き付ける北東からの強い季節風で、観光客もまばらとなる。
 西伊豆町の三四郎島で干潮の際に海で隔てられていた陸地とつながるいわゆる「トンボロ現象」が、同県内でも見られることから、2015年11月、西伊豆町と同県は友好交流提携書に調印している。また、同県には、駿河湾も2016年11月に一員となった「世界で最も美しい湾クラブ」(注を参照。以下、クラブという。)に加盟している澎湖湾がある。さらに、同県内の高校も教育旅行で静岡県内の高校を毎年のように訪問したことが縁で、2017年1月、吉原高校と現地の高校が教育交流に関する覚書を交換するなど、静岡県と同県の交流が行われている。
 2018年3月下旬、私は、日本台湾交流協会高雄事務所ほかの方々とともに同県を訪問し、上下水道や発電に関するインフラ、水産業、観光の各施設を視察した。クラブ加盟員同士、今後の実のある交流の契機となればと考え、これから数回にわたって同県の取組みを紹介していきたい。
 まず上水道から見てみよう。同県内の島々の上水道の水は、全て島内でまかなっている。澎湖湾を輪のように取巻く島々(馬公(ばこう)地区という。)の例で見ると、給水対象は7万1千人で、一日当り2万5千トンの給水量である。水源の種類と給水割合はそれぞれ、海水(淡水化)72%、深層井戸水及びダム水が各12%、海水井戸水4%である。同県では、年間千ミリ程度の降雨量しかなく、水も玄武岩質の土壌に滲み込んでいってしまう。馬公地区でのダムの貯水量は、3月時点で26.3万トン(1日の給水量の約10日分)程度のため、水源を複数確保して水枯渇のリスクを回避する方式を採用している。海水と海水井戸水は、含まれる塩分が多いため、淡水化処理工程を経て、上水道水となるが、処理プラント内で取水、沈殿、濾過、化学処理などの工程において大量の電力消費や濾過に必要な高額なフィルター(中国製)の交換などの経費がかさみ、赤字の状態が続く。2017年の例では、澎湖全体の供給水量約1,140万トンに対し、2億1,800万元(約7億9千万円)の赤字を計上している。
 この状況に対し、淡水自動化による人件費コスト削減、雨水が多いときの水源利用割合の変更、給水量制御などの供給側の工夫に加え、利用者側にも節水を呼び掛けるなど、需給両面から取組みを進めている。
(注)1997年3月10日、ドイツで設立され、フランス・ヴァンヌ市に本部を置くNGO(非政府組織)で、世界25か国・41湾が加盟。湾の自然遺産の保護、湾の持つ独自性の保全、経済開発との共存を実現しつつ、湾周辺の生活、伝統を尊重することを会員の義務と定めている。日本国内では、駿河湾の他に松島湾(2013年10月)、富山湾(2014年10月)、宮津湾・伊根湾(2016年11月)が加盟している。


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