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ヨーロッパ駐在員報告
1999年12月 政治 駐在員 : 森 貴志
英国産牛肉禁輸問題
欧州委員会(EU委員会)は11月16日にEU委員会の決定に反して英国産牛肉の禁輸措置を撤回しない仏国に対して制裁手続きを開始した。2週間以内に仏国が禁輸解除の決定をしない場合は欧州裁判所へ提訴される。英仏農相による交渉は継続されており、早期の妥結で禁輸解除に至る可能性もまだ残されている。
英国産牛肉の禁輸解除問題では、解除の再検討を主張する仏・独の求めで、10月末EU科学委員会が協議した結果、英国産牛肉は安全との見解を発表。仏英各農相も2日、早期の輸入解除で合意していたが、輸入解禁に向けた安全性の確認方法をめぐる交渉が難航している。
この交渉では、より安全性を求める仏国と、英国産牛肉の安全性は確保されているとする英国で折り合いがつかない状態である。
仏側は、狂牛病が発生してもその群れ全部を廃棄処分にしていないなど、英国の安全対策を不十分としているが、英国側は現在輸出が許可されている生後6か月〜30か月の牛肉からは96年以来一度も狂牛病の発症がないことを理由に安全性を強調している。
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