東南アジア駐在員報告
2013年5月 経済
駐在員 : 長谷川卓
原発事故に伴うシンガポールでの静岡県産食品に対する規制だが、本県の最重要輸出農産品である「緑茶及びその製品」が唯一対象品目に指定されており、輸入に際して日本政府作成の放射性物質証明書(非検出であることの証明で、生産・加工地が記載されていること)の添付が要求されている。
こうした静岡県産緑茶への厳しい規制にも関わらず、2012年(平成24年)の日本からシンガポールへの緑茶の輸出量は過去最高の257tでアメリカ、台湾に次ぐ第3位の輸出先国だった(「静岡県茶業の現状<お茶白書>(平成25年3月)」)。これは、島田市本社の大手製茶会社・ハラダ製茶叶サ造の緑茶ティーバッグの販売が、2012年に国内最大のスーパーマーケットチェーンで本格的に開始されたためであり、厳しい情勢下での静岡県企業の積極的な海外販路開拓が奏功した成果と言える。
さらに2011年の規制以降、静岡県産が減少しているリーフ緑茶では、静岡市本社の老舗製茶問屋・マルモ森商店鰍ェシンガポールへの輸出を開始した。静岡市で唯一の「日本茶鑑定士」で、茶審査技術九段(最高位十段)を取得している森宣樹(もりのぶき)社長自らがシンガポールを訪問し、商談に取り組む様子がNHKニュースで放映された。
http://www.nhk.or.jp/worldwave/newscafe/index.html
まずは手軽なティーバッグが加糖、加香しない緑茶愛好者を増やし、次いでリーフ茶愛好者が拡大していくことを期待したい。
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