東南アジア駐在員報告



2007年4月 政治
駐在員 : 獅倉 浩


タイ・・・ドンムアン空港再開港の背景


タイの旧バンコク国際空港、ドンムアン空港が、3月24日午後、国内線専用空港として再開港した。昨年の9月29日に全ての路線をスワンナプーム空港に移転したところだが、たった6か月で、タイ国際航空が一部国内線、ワン・ツー・ゴー航空とノック・エアー航空は国内線全便を古巣のドンムアン空港に戻すことになった。
スワンナプーム空港と言えば、昨年9月29日に年間旅客能力4,500万人を誇る東南アジア最大の空港として開港したことは記憶に新しい。同空港は開港準備作業が不十分なまま開港を急がせたため、当初は航空貨物の積み残し騒ぎや、旅客荷物紛失騒ぎなどのトラブルが発生したことは、昨年11月のトピックスでも御報告した。その後も、タイ国際航空社ビル建設現場内で夜間に痴漢騒ぎが続発し、労働組合が抗議するなどのトラブルも発生していたが、実は一番大きな問題は、滑走路や空港ビルに亀裂が入るなど、早くも様々な欠陥箇所が見つかり、大規模な補修が必要になったということであろう。
スワンナプーム空港は、湿地帯を切り開いて建設された空港で、地元の人の中には、遅かれ早かれ空港が陥没するのではないかと囁かれていたが、これが早くも現実になってしまったということだ。
これに対応すべく、ドンムアン空港に一時的に路線を再移転し、しかるべく大改修の後の再々移転を検討すべきであるという声が、数か月前に議会側から提案され、政府はこれを否定していたが、やはり少なくとも一部路線を移転せざるを得ない状況にあるようだ。
タイ運輸省は、ドンムアン空港を第2国際空港として利用を再開したい意向で、国営空港運営会社のエアーポート・オブ・タイランドに事業化調査を命じた。調査には数か月を要するが、航空会社は乗客の不便や、運営コストの増加を理由に反対している。

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