韓国駐在員報告



2017年8月 政治
駐在員 : 小関克也


在韓米軍の陸軍戦力を指揮する米第8軍司令部は7月11日、京畿道平沢市(キョンギド・ピョンテクシ)の平沢基地で新庁舎の開館式を行った。朝鮮戦争休戦協定直後の1953年からこれまでの間、司令部が展開されていたソウル市街地の龍山(ヨンサン)基地からの64年ぶりの移転である。これで、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の2003年に一歩を踏み出した在韓米軍基地移転事業も最終手続きに入った。
この移転により、在韓米軍の中心はソウル市内の中心部を流れる漢江(ハンガン:朝鮮戦争時に北朝鮮の進軍を止めるために橋を全て落とした川)より南側に移動した。龍山に残る一部の部隊も、韓米連合司令部を除き今年末までに平沢へ移転する。
 平沢には、釜山(プサン)新港、光陽(クァンヤン)港と共に3大国策港湾である平沢(ピョンテク)港があり、近くに烏山(オサン)空軍基地や鉄道施設などもあるため、有事における米増援戦力の展開が容易だ。また、ソウル市より70キロほど南に移ったことにより、北朝鮮のロケット砲や自走砲の射程から外れるというメリットもある。
 これまでの龍山基地の跡地には広い面積を有する公園等が整備される予定である。近年龍山は高層マンションの建設が進み、外国人駐在員等が多く居住する地区に変貌をとげつつあった。基地がなくなることにより、日本人が最も多く居住している隣接の二村(イチョン)地区への移動が容易となり、同地区との一体化が進むことから、益々の発展が期待される。

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