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中国駐在員報告
2006年8月 社会・時事 駐在員 : 小杉 長生
経済発展が目覚ましい中国では、個人の経済力も向上し、自動車の販売台数が急激に伸びている。そのため、沿岸部の各都市の交通渋滞は凄まじいものがある。
特に北京と上海はひどい。例えば、通常15分間で着く場所が朝夕のラッシュ時には、1時間以上かかることもある。また、雨の日の夕方はタクシーを捕まえることが出来ず、大変困ることが多い。
2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博に向け、それぞれの市では対策を進めている。ここでは上海の対策を紹介する。現在、上海のバス路線は400路線以上あり、市民の足として使われているが、やはり交通渋滞に巻き込まれてしまうため、地下鉄とモノレールの整備が急ピッチで進められている。
現在使用されているのは、地下鉄が3路線とモノレールが2路線である。地下鉄1号線は、市の南西部にある莘庄駅を起点に市中心部の人民広場駅を経由し、市北部の共富新村駅までの25駅、約29kmを運行している。
地下鉄2号線では、市中心部の西側にある中山公園駅を起点に人民広場駅を経由し、浦東新区の張江高科駅までの13駅、約9kmであり、この路線は張江高科駅の手前の龍陽路駅で、浦東国際空港までのリニアモーターカーに接続されている。さらに地下鉄5号線では、莘庄駅を起点に市西部の閔行開発区駅までの11駅、約17kmを運行している。
次にモノレール3号線では、上海南駅を起点に市北東部の江湾鎮駅までの19駅、約25kmを運行している。モノレール4号線では、一部モノレール3号線を共用し、市中心部の外側を一周するものであり、22駅、約27kmを運行しており、残りの4駅約6.6kmが2007年に完成する予定である。
現在運行中の地下鉄3路線の運行キロ数は、合計で約55kmであり、モノレール2路線は合計約52kmであり、両者を合せると約107kmとなっている。
現在建設中の地下鉄6、9、11号の3路線では、67駅、約123km、モノレール7、8、10号の3路線では、83駅、約100kmを、全て2010年に完成させる予定となっている。
現在運行中の地下鉄・モノレールと建設中のそれらを合わせると、2010年までに上海市内で延長300kmを越える公的交通網が完成する。さらに、これ以外にもモノレール1路線、地下鉄1路線が計画されている。
これらの交通網が完成すれば、上海市内での移動は非常に楽になる。
※運行中の路線については、添付ファイルに「上海市内の地下鉄等路線概略図」として掲載
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