韓国駐在員報告
2020年11月 経済 駐在員 : 小関 克也
新型コロナの影響で日本路線をはじめとした海外の路線が軒並み休止になり苦境に陥っている韓国のLCC各社は国内線で活路を見出そうとしているが、最も便数が多いソウル金浦空港と済州島の済州空港を結ぶ便は、過当競争に陥っている。
LCCの一社、エア釜山は片道航空券を1万ウォン(約930円:航空券料金のみ)で販売する特価イベントを実施したが、実際には更に安い6,000ウォン(約560円)で販売されているチケットもあったそうである。この価格は通常価格の約9割引にあたり、とても採算が取れる価格ではない。
金浦空港と済州空港を結ぶ便は新型コロナ前にも運行時間帯には10分に一本くらい便が出ており「通勤列車並み」と言われていたドル箱路線であったが、海外路線の運航休止によりあぶれた機体をLCC各社だけでなく、フルサービスキャリアであるアシアナ航空や大韓航空もその路線に投入してきたため、さすがに過剰となっているようである。
とはいえ、先日、仕事のために済州島に出張した際の便は、済州島でゴルフを楽しむ様子の人々などでほぼ満席。過当競争をやめればそれなりの収益はあげられるはずなのだが、「他社がやっているから止められない」という状態に陥っている。国際線が本格的に復活するまで、何とか持ちこたえてほしいと願うばかりである。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|