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2001年11月 その他駐在員 : 岩城徹雄
・中国製バイクの脅威 −ベトナムの二輪市場− ハノイ市内の道路はどこもおびただしい数のバイクで埋まっている。誰もヘルメットをかぶらず、2、3人乗りもざらに見られる。めいめいがクラクションをよく鳴らすので大変騒々しい。日系企業駐在員の話しでは、用もなくただ走っている者もかなり多いとか。傍で見ていて非常に危険に感ずるが、彼らにしてみれば、四輪車の流れの中をバイクが走る日本の方が危険に感ずるのかも知れない。 ベトナムでは金融機関への預金よりいわゆるタンス預金が多く、自家用車(四輪)を持つことが難しい多くの国民は、バイクに資産価値を見出してきたという。現在でも、1年落ちの中古バイクでも新車の90%の価格という。近年になって国民の購買力が上がり、また移動手段としてのバイク本来の活用が進み、従来バイクを持てなかった層にも需要が広がると同時に、一家に1台であったものが2、3台目を購入する家庭も増えていることから、国内のバイク市場は大幅に拡大している。 ベトナム戦争中から終戦にかけてホンダ製バイク約70万台が輸入されHONDAがバイクの代名詞となるほどブームとなったが、戦後の混乱期には需要が落ち込み、カンボジア侵攻による西側諸国の経済封鎖によりブームは終わった。90年代の開放政策により再び需要が増え第2次ブームとなった。96年にスズキ、97年にホンダ、99年にヤマハが組立て工場を開設し国内向けの生産を開始し日系メーカーのシェアを広げてきた。 2年前までは、日系メーカーで8割という圧倒的なシェアだった市場に、2000年から中国製バイクが入り始め、大きな脅威となっている。べトナム政府はバイクの完成品の輸入を禁止しているが、中国からはバイクの組立てキットの形で輸入が進んでいる。ベトナムの地場企業51社がバイク組立てのライセンスを得ているが、商社など製造業でないものが多く、実際のアセンブリー(組立て)は修理工場レベルのところで行われているようである。 中国製は性能や耐久性の面で劣るものの、低価格を武器に急速にシェアを広げている。2000年は全体で対前年比3倍の158万台の輸入があったが、このうち100万台が中国製と見られている。この急激な流入により、日系メーカーの8割のシェアが逆転されてしまった。価格においては日系メーカー製の4分の1から2分の1程度の約US$450〜800である。価格の脅威のほかに、コピー製品の流通も日系メーカーにとっては頭の痛い問題である。日系メーカーの車体に中国メーカーのエンジンを取りつけたものや、「HONGDA」といった紛らわしいロゴをつけたものなどがかなり出回っているという。 2001年に入ってからも、中国からの輸入の勢いは衰えていないようだが、中国企業数社がエンジン製造の投資許可をベトナム政府に申請中であり、数年後には本体の製造を行うだろうと推測されている。これはAFTA(ASEAN自由貿易地域)実施後、ASEAN域内では加盟国生産品の関税が原則として5%以下になることをにらんで、ASEANのバイク市場にベトナム製中国ブランドを送り込もうとする中国メーカーの戦略と見られ、日系メーカーもますます難しい対応を迫られている。
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