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韓国駐在員報告
2012年10月 政治 駐在員 : 外山靖
<安哲秀氏が出馬表明>
大統領選挙への出馬が確実視されていた安哲秀(アン・チョルス)ソウル大融合科学技術大学院長(50歳)が、ようやく出馬を宣言した。
9月19日にソウル市の救世軍アートホールで記者会見を行い、
・国民が自分を通じて政治刷新への熱望を表現した
・第18代大統領選挙に出馬し、自分に与えられた時代の課題を解決する
・国民の半分を敵に回しながら統合を叫ぶのは偽善であり、選挙過程で中傷は行わず、結果を尊重する
・政治経験も組織もないが、それだけに負債もない
と発言した。
<民主統合党は文在寅氏を候補者に決定>
一方、最大野党である民主統合党は、安氏の出馬表明にわずか3日先立つ9月16日に、ソウルに隣接する京畿道高陽市で行われた同党の候補者決定選挙の最終日に、累積得票率56.5%を獲得した文在寅(ムン・ジェイン)氏を候補に選出した。
同氏は候補受諾演説で、
・(投票者は)大韓民国の変化、政権交代、民主統合党の勝利を選択した
・投票者の切実な希望を12月の大統領選挙で必ず成し遂げる
・協力と共生が今日の時代精神であり、融通と和合、共感と連携に向けたリーダーシップを発揮し、新しい時代を切り開く
・新しい時代へ進むため、雇用革命、福祉国家、経済民主化、新しい政治、平和と共存を実現し、責任総理制度を設けて大統領の権力を分散する
と訴えた。
<有力3候補の支持率>
3候補確定後の最初の民間調査会社による世論調査(9月26〜27日)によると、朴槿恵(パク・クネ)氏36.8%、安氏31.5%、文氏21.8%であった。また、2候補になった場合の比較では、朴氏:安氏は41.2%:51.7%、朴氏:文氏は45.5%:48.3%と、いずれも朴氏が下回る結果となった。
現在、韓国国内で政治的関心の中心は文氏と安氏の候補単一化に移っている。しかし選挙戦は序盤であり、今後の懸案への対応や候補者の検証等によって支持率が大きく変わることも予測される。
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