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東南アジア駐在員報告2007年8月 経済 タイ・・・高い品質のメイド・イン・タイ アルミ鋳造品 近年、日系企業のアジア地区内での有望展開先として、インド、ベトナムが注目を浴びているが、製造業、特に自動車関係の投資先環境として、タイは他のアジア地区とは少し位置付けが違っている。例えば、ある企業ではタイと日本の工場で同一の製品を造っており、タイ工場の方が不良率が低いそうだ。ある企業ではタイで特許製法の技術を確立して日本で製造している。また、ある企業では日本の若い職工にタイの熟練工の働き振りを見学させているそうである。 さて、このようなタイの製造業の現状を見ることができるのが菊川市(旧菊川町)に本社を持つ旭テック株式会社のタイ法人、アサヒテック・アルミニウム・タイ(以下「同社」と言う)である。 同社は、バンコク市内からチョンブリに続くバンナ・トラッド道路を東に約30キロ、車で約40分走った所に本社及び本社工場があり、本社から北東に約30キロ車で30分の位置にバンパコーン工場がある。主要取引先はバンコク周辺に展開している日系四輪、二輪自動車メーカーで、同社の製品であるエンジン及び周辺鋳物部品、アルミホイール等の約60%はこれらに供給され、約40%は日本向けに輸出している。同社が使用する原材料のアルミは、オーストラリアと地元の企業から調達しているそうである。 さて工場現場だが、工場内は整然と整頓されており、従業員はテキパキと作業をこなしている。又、工場内レイアウトは、モノが製造(作業)工程をスムーズ移動するよう配慮されたものになっている。さらに工場設備を常に最良の状態に維持し、設備不良により不良品を発生させない取り組みを全従業員が熱心に取り組んでいる。また、法律によって設置が義務付けられている福祉委員会が、従業員の職場環境改善要望を経営サイドと協議する仕組みになっており、たとえ希望がかなわなかったとしても、自分達の代表が交渉の末至った結論であるゆえ不満が残らない。 賃金はワーカーで日本の1/10程度だが、日本と変わらない品質、低不良率だ。 |
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