台湾駐在員報告
2021年8月 経済 駐在員 : 宮崎 悌三
半導体受託製造世界最大手のTSMC(台湾積体電路製造)は、台湾におけるワクチン不足解消のため、アメリカ政府やドイツ政府の高官に協力を求めているが、同時に働きかけ先の政府から工場進出に対する要請があったとの報道もある。
今や半導体の製造では世界のトップレベルにある同社には、経済安全保障上の重要製品と位置付けている日本政府も熱い視線を向けている。日本では材料の研究開発や生産拠点建設もしばしば報道されているが、同社の董事長(会長)は海外投資は慎重に考えなければならないとしつつも、日本における工場設置はすでに検討段階にあると明かしている。工場の立地候補の一つとして熊本県の名前が挙がっているが、多額の投資を必要とする工場建設のコ
ストを日本政府が支援することができるかが課題となっているようだ。
同社は、仮に日本に生産拠点が設けられた場合には、自動車産業向けの製品を供給することで、日本の自動車産業のサプライチェーンの一環を担うとの見方を示している。
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