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東南アジア駐在員報告
2000年5月 経済 駐在員 : 岩城徹雄
アジアの各国経済成長に明るい見通し
アジア開発銀行(ADB)が4月25日に発表したアジア経済の展望に関する報告書によると、日本、オーストラリア、ニュージーランドを除くアジア地域の2000年の経済成長率(実質GDBベース)は6.2%に達する見込みである。
しかし、各国とも巨額の不良債権を抱えており、金融機関の体質も国際的な標準からは程遠い状態にある、とさらなる改革を訴えている。
・シンガポール
ADBの予測では5.9%の成長が見込まれている。消費の回復と投資促進策などが高成長予測の根拠となっているが、原油の高価格や賃金上昇、国内需要の増などによりインフレ率も1〜2%に上昇すると予想している。また、シンガポール国立大学の経済研究機関では、建設業を除く各業種とも成長が見込まれ、国全体では7.1%の成長が見込まれる、としている。
・マレーシア
ADBの予測では、力強い個人消費、回復しつつある購買力などにより、今年6%の成長が見込まれる。また、政府系シンクタンクのマレーシア経済研究所は、生産力の向上や賃金上昇、雇用増などにより、同じく6%の成長を予測している。
・フィリピン
ADBの予測では3.8%であるが、国家経済開発庁では工業生産高や国内需要の伸びをもとに4.0〜4.3%の目標達成を可能としている。
・その他各国ADBの予測
タイ4.5%、インドネシア4.0%、インド7.0%
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