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東南アジア駐在員報告
2002年3月 政治
駐在員 ： 岩城 徹雄
・シンガポールとインドネシア、テロ容疑者をめぐり対立
昨年末シンガポールでテロ容疑者が逮捕された件に関連し、リー上級相は2月中旬に、この逮捕でシンガポールが安全になったとは言い切れない、インドネシアには大きな影響力をもつテロ組織の指導者がおり、シンガポールは依然テロの脅威にさらされている、との見解を示した。インドネシア国内ではこの発言に対する反発が強まり、国権の最高機関である国民協議会のライス議長らが批判の発言をしたほか、2月25日には在ジャカルタのシンガポール大使館前でイスラム教の団体による抗議デモも行われた。また、シンガポール政府から国際テロ組織の指導者と名指しされた人物は、インドネシアはシンガポールと国交を断絶すべきだと、強く非難している。
このような動きの中、インドネシア国家警察は、リー上級相の発言の真偽判断のため、捜査官をシンガポールとマレーシアに派遣し、両国で逮捕されたテロ容疑者から事情聴取を行った。2月26日には国家警察の報道官から、いずれの国の逮捕者からもインドネシアに国際テロ組織が存在するという証拠は得られなかった、との発表がなされた。
インドネシアは、これまでシンガポール、マレーシア、フィリピンの周辺国からテロ撲滅の協力依頼を受けてきており、国会でもテロ撲滅法案を作成する動きがあるようである。
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