韓国駐在員報告
2016年10月 経済 駐在員 : 松村昭宏
韓国の家電メーカーが東南アジア市場の攻略を加速させている。生活家電用品大手のコーウェイは9月初め、クアラルンプールでマレーシア法人設立10周年記念式典を開催し、今後の目標顧客数などを盛り込んだ「2017ビジョン」を宣言した。このマレーシア法人は2006年の設立後、売上高が現地通貨ベースで年平均118%ずつ増加し、2015年は3億3,600万リンギット(約83億円)に達した。同社はマレーシアで初めてレンタルシステムを導入し、定期的に製品を管理するサービスを定着させ、現地の浄水器市場でシェア首位を維持している。今後はタイにも直営サービスセンターをオープンし、インフラを強化するなど事業を拡大する計画だ。
大手炊飯器メーカーのクック電子も2015年に進出を果たしたマレーシアでの浄水器事業の競争力強化に向け、販売・サービス部門の増員を進めており、2016年4〜6月期の販売台数は実に前年同期比で1,243%増加した。ジューサー専門メーカーのヒューロムは、2014年からベトナム、マレーシア、インドネシアと東南アジア進出に力を入れ、2016年はタイ市場の攻略を本格的に開始した。同社が運営する「ヒューロムジュースカフェ」のタイ1号店はドンムアン空港に近い有名百貨店、セントラルデパートにあり、口コミで人気が広まっている。タイの若い顧客層は韓国のように健康や美容に対する関心が高いため、フレッシュジュース市場も成長すると同社は見込んでいる。
生活家電業界の関係者は「マレーシア、インドネシアのほか、シンガポール、フィリピン、タイ、ベトナムなどをターゲットにした進出が活発で、韓国の多くのブランドがシェア拡大を図っている」と述べた。
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