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東南アジア駐在員報告
2000年4月 企業動向 駐在員 : 岩城徹雄
インドネシア、煙害のもとを断ち切れず
インドネシアのスマトラ島リアウ州で発生した森林火災により、煙害(ヘイズ)が発生している。同州では、日中でも薄暗い状態が続いており、州政府は住民に防煙マスクを配布し健康保護に備えている。風向きにより、隣国シンガポールやマレーシアにもヘイズがおよぶのではないかとの予想がなされたが、シンガポールでは今のところ、うす曇りの天気となる程度であまり被害はない。マレーシア科学技術環境省では、ヘイズ対策のためクアラルンプールの20階建て以上の高層ビル70か所にスプリンクラーを取り付け、高所から水を撒き空気をきれいにする計画を発表した。
肝心の発生もとのインドネシアでは、気象衛星により撮影されたリモートセンシングの写真で、煙害のもととなる野火を放った農場や森林伐採業者を特定し、営業許可の取り消しや起訴などに持ち込むことが検討されているが、地域に焼き畑農業の習慣があり、容疑者を特定し起訴するのは難しいと考えられている。実際、昨年も起訴まで持ち込めたものは、警官により農場主が火を放つところを目撃できた1件しかなかった。
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