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東南アジア駐在員報告
2002年1月 社会・時事 駐在員 : 岩城徹雄
シンガポールとマレーシア、テロ計画容疑で逮捕者
シンガポール内務省は、テロを計画した容疑でイスラム関係組織のメンバーら15人を01年12月9日から24日の間に逮捕したと発表した。
逮捕者のうち13人は「ジェマー・イスラミア(イスラム共同体)」という組織のメンバーとされ、他の2人はこの組織との関係を捜査中とのこと。同組織はテロ支援の資金集めや爆発物の材料集めなどの活動をしており、捜索の結果、爆発物の製造法のマニュアルやテロの標的とされる場所の写真、偽造パスポート、アルカイダとの関連を示す物品などが押収されたようである。逮捕者の中には、アフガニスタン国内のアルカイダの施設で短期訓練を受けた者もいるほか、マレーシアやインドネシアの過激派グループと関係をもつ者もいるようである。また、逮捕を逃れて出国したメンバーもいる模様。
内務省では、テロ計画はアメリカ大使館や関連施設などの爆破だったことを明らかにしている。国防省では新たなテロに対処するため同省内に国家治安事務局を設置する意向。
マレーシアでも01年12月から02年1月にかけて国内のイスラム過激派組織「クンプラン・ミリタン・マレーシア」のメンバー13人が逮捕された。警察庁の発表によれば、同組織は軍事訓練キャンプの実施計画を持っていたという。逮捕者の中にはアルカイダとの関係をもつ者や大学の技術工学の講師も含まれているとのこと。ニューヨークの同時多発テロの容疑者ら3人が2000年にマレーシアに観光ビザで入国し滞在したことが明らかになるなど、国内のテロ組織との関係が疑われている中での摘発であり、今後の動きが気がかりである。
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