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東南アジア駐在員報告2001年3月 社会・時事 インドネシアの中部カリマンタン州(ボルネオ島)では、先住民ダヤク人と移住民マドゥラ人との対立が激化し数百人に上る死者が出ているという。 同州ではインドネシア独立後の1950年頃から、移民政策により移住してきたマドゥラ人が増え始め、経済的にも優位に立つようになったたが、これに反感を持つダヤク人がマドゥラ人を襲い、報復も繰り返されるというのが対立の構図である。同州サンピットで続いていた暴動は、2月25日には州都のパランカラヤでのダヤク人による略奪や放火という事態に広がった。メガワティ副大統領が現地を訪れ沈静するかに見えた暴動も、3月4日にサンピットで放火があり5人が遺体で発見された。ワヒド大統領は中東から帰国後の3月8日に現地入りし、事態の収拾にあたる予定である。 かつて「首狩り族」ともいわれたダヤク人の襲撃を恐れ、マドゥラ人ら1万人あまりが船で東ジャワ州スラバヤへ逃れ、避難生活を送っている。カリマンタン島(ボルネオ島)にはインドネシアだけでなくマレーシアのサラワク州、サバ州、ブルネイ王国の領土もある。マレーシア政府では、両州が中部カリマンタン州とは直接国境を接してはいないが、避難民が国境を越えてくる可能性もあると、警備を強化している。 |
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