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韓国駐在員報告2016年6月 社会・時事 2016年(平成28年)5月24日〜6月12日の間、ソウル国立中央博物館で「韓日の国宝、半跏思(はんかし)惟像(ゆいぞう)の出会い」展が開催されている。広さ80坪(約260平方メートル)の展示場は暗く、韓国の国宝第78号「金銅半跏思惟像」と日本の国宝「奈良中宮寺・木造菩薩半跏像」の2体の仏像だけに光が当てられており、そっと目を伏せて物思いにふける日韓の半跏思惟像が、10メートルの距離で向かい合っている。韓国の国宝第78号は西暦6世紀に作られた三国時代を代表する仏像で、日本の中宮寺像は7世紀の飛鳥時代を代表するもの。どちらの仏像も、当時流行した弥勒信仰に基づいて作られた名品だが、材質や大きさ、表現などは異なる。韓国の国宝78号は金銅で鋳造され、中宮寺像は、11個のクスノキの部材を組み立てるという手法を取り入れている。高さは、中宮寺像の方が国宝78号の2倍以上ある。国宝78号は82センチ、中宮寺像は167.6センチ。国宝78号は小さいが、軽快で力がある。一方で中宮寺像は、見たところ顔の表情が表れていないけれど、眺め続けていると温和なほほ笑みが見える、というところに日本人特有の性質もうかがわれる。ソウル国立中央博物館での展示は6月12日までで、同展示終了後は、日本の東京国立博物館に移り、6月21日から7月10日まで展示される。 |
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