東南アジア駐在員報告



2007年3月 社会・時事
駐在員 : 獅倉 浩


    ベトナムの人口は約8,300万人。このうち約60%以上が25歳以下という人口構成になっており、街で見かける人も、商店の店員も、ホテルの従業員も若い人が多い。ホーチミン、ハノイで操業している県企業の工場を訪問しても、若い従業員が目に付く。
    県企業の皆さんに従業員の働きぶりを伺うと、生産現場の労働者は、勤勉でまじめ、特に女性は良く働く。但し、共同作業は苦手で、自分勝手に作業したがる。単純作業は嫌いだが、創意工夫を凝らす必要がある作業は得意。しかし、やはり初めから勤勉であるのではなく、生産現場のマネージャーの方々は、いかに旨く叱り、こちらの要求する作業をさせるかということに苦労されているようだ。事務系の労働者は、大変優秀で、東南アジア諸国の中ではずば抜けて効率よく作業をこなす事ができるという評価をしている企業もある。
    ベトナム人の勤勉性を表す例として、早朝に公園のベンチで、あるいは休み時間に工場の傍らで、彼らが新聞を読んでいる姿を挙げることができる。また、ベトナム人の識字率が94%と、極めて高いことも勤勉性の一端を表している。
    ホーチミン、ハノイ、ダナン等都市部では、外国企業が進出し、このような若い働き手に工場労働者等としての就職口が広がったことによって、賃金水準が上がっている。都市部の最低労働月賃金は(都市によって若干違うが)約55米ドル(約6,600円)(注)となり、貧困率が徐々に改善されている。しかし、人口8,300万人のうち圧倒的多数の6,000万人が暮らしている農村部の平均月収は約25米ドル(約3,000円)。マーケットとして成立する以前の話で、依然として貧困問題が大きな課題として残っている。

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