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ヨーロッパ駐在員報告
2000年4月 経済
駐在員 ： 森貴志
世界最大級銀行の誕生が破談
ドイツ3位の商銀ドレスナー銀行は、国内最大大手ドイツ銀行との合併交渉を即時打ち切ると発表した。ドイツ銀行側も、交渉の決裂を認めた。交渉決裂の理由としてドレスナー銀行は同行の投資銀行部門、ドレスナー・クラインオート・ベンソン（DKB）を合併後も維持するという当初の約束をドイツ銀行側が破り、売却を求めたためと説明している。
これは対等合併ではなく、これ以上の交渉は株主、顧客、従業員の利益を損なうと判断したようである。
当初計画では両行は今年の末までに合併手続きを完了させ、合併後の「新ドイツ銀行」は総資産1兆2500億ユーロ（約127兆円）と、日本の「みずほファイナンシャルグループ」と並ぶ世界最大の銀行となる予定であった。しかしながら、両行はドイツ金融界を二分する長年のライバル だっただけに、合併銀行の機関業務となる投資銀行部門での主導権争い が、破談の要因と言われている。
一方では、両行合併の背景となったリテール部門の合理化、国際投資 銀行業務強化の課題に変わりはなく、両行は今後、他の国内、欧州銀行 と新たな提携、合併を模索していくとみられている。
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