中国駐在員報告
2020年11月 経済 駐在員 : 浅原 敏治
上海市の中心部、南京西路にある上海伊勢丹の5階に日本の魅力を発信する「FIND JAPAN」というコーナーが今年9月から設けられている。10月23日現在、13の地方自治体の地酒や食品などが並べられ、スクリーンには日本の各地方を紹介する動画が流れている。また、JTB上海とのコラボで4人掛けソファの前に日本の映像が流れるスクリーンを配置し、あたかも豪華列車の窓から景色を眺めている気分になれるコーナーも設置されている。
昨年まで、このコーナーは紳士服売り場であったが、上海の男性ビジネスマンは日本と違い、普段スーツを着用せずに仕事をしていることから、この売り場を一新することとなった。当初は東京オリンピック・パラリンピックで日本に関心を持つ顧客が増えると見込み、オリンピック開幕前に日本の魅力を発信する場を設けるコーナーを設置することで進められていた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で東京オリンピック・パラリンピックの開催が延期されたため、企画を練り直すことになったとのことである。
検討を進めた結果、新型コロナウイルス感染症終息後のインバウンド誘客につながる場を設けることとなった。ポイントは、訪日客の渡航目的と滞在先。これらは、三密回避という考え方を柱に、それぞれショッピングから観光へ、大都市から地方都市へシフトすると考え、上海伊勢丹が上海にある自治体駐在員事務所に声をかけ、企画を進めた。展示する商品のセレクトは各駐在員事務所が行っており、販売、管理、補充は上海伊勢丹側が行っている。
上海伊勢丹の顧客の9割は20歳代から30歳代の女性が中心で、南京西路から隣の静安寺まではハイブランドのブティックや高級ショッピングセンターがあり、現地では上海の銀座と呼ばれている。外資系企業のオフィスも多く、感度、購買力の高い顧客が多く、平日は仕事帰りのOL、週末は家族連れの顧客が多いとのことである。
静岡県中国駐在員事務所は、同コーナーにて本県関連の商品を紹介するよう調整しており、このような機会を通じて今後も本県の魅力を発信していきたいと考えている。
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