中国駐在員報告
2021年12月 経済 駐在員 : 浅原 敏治
11月5日(金)から10日(水)までの6日間、第4回中国国際輸入博覧会が上海市の国家会展中心で開催された。127の国と地域から約2,900の企業が参加し、来場者数は約48万人であった。
開催にあたり、強固な“ゼロコロナ”対策が行われた。まず、出展スタッフも含め、来場者は入場前48時間以内にPCR検査をし、陰性証明を提示することが必須となった。また、1人でも感染者がいる都市(北京市や浙江省杭州市など)の居住者や入場日前の3週間以内に同地域を訪問した者は入場不可となった。上海市内でも10月30日に上海ディズニーランド園内で1人の感染が確認されたため、10月30日、31日に同園を訪れた者も入場不可となった。
こうして行われた輸入博に、静岡県からは、お茶風味の菓子、調味料、みかんジュースなど中国輸出を狙う10社16種類の商品のほか、本県産の日本酒などが出展された。今回の輸入博の出展の傾向として、全体的に酒類の展示が特に多かったことから、酒以外の商品を展示した本県のブースは逆に注目され、試飲、試食する方が他のブースよりも多く見られた。11月6日と7日には中国で人気のドキュメンタリーディレクター竹内亮氏によるライブコマースも行われ、本県の商品を紹介した時間帯には2日間合わせて18万人が視聴し、おいしそう、値段が高そう、などのコメントが発せられるなど多くの反響をいただいた。
また、商品の詳細な説明を聞くための日本の出展者とオンラインでつなぐタブレット端末が各展示ブースの横に1台ずつ設置された。昨年は一か所に数台がまとめて設置されたが、今年は、展示ブースごとに1台ずつタブレット端末が設置されたことで、来場者が日本の企業とスムーズにオンラインで話をすることができた。
来場者からは、日本の商品は品質がよく、安心して食べることができる、という声を多くいただいた。輸入博後も静岡県から商談業務を受託した現地企業が本県の商品に関心を示した商社等にアプローチをし、11月末までに13件の面談を実施、うち2件は具体的な商談が進んでいる。上海をはじめ中国市場に今回の県産品の販路が広がるよう、当事務所もサポートしていく。
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