台湾駐在員報告
2017年12月 政治 駐在員 : 宮崎悌三
台湾高雄市出身の盧麗安氏が、今年10月の中国共産党大会(以下、党大会という。)で台湾代表として参加したことは、台湾のメディアでも大きく取り上げられた。盧氏は、台湾の大学を卒業後、20年前に上海に渡り、現地ですぐに身分証の手続きを行った。その後、中国共産党に入党し、模範党員の台湾代表として党大会に参加。現在は、上海の復旦大学で教鞭を取っている。
盧氏は、台湾政府から「両岸人民関係条例」により中華民国籍を剥奪されたが、当の本人は「台湾代表として選ばれたことは光栄だ。台湾に生まれ育ち、台湾を誇りに思い、中国人として生まれたことを自慢に思う。台湾も大陸(注:中国を指す)もどちらも父母のように愛している」などとコメントした。
また、盧氏の後を追うように中国共産党に入党申請を行った北京大学留学中の台湾出身の学生2名に対して盧氏は、「非常に良い現象。中国の特色ある社会主義が、次第に多くの台湾の若者に理解されている」と歓迎している。
中国政府は、台湾出身学生の大陸への留学を促進するため、台湾の学生を対象に大陸での留学に関する奨学金受給枠と金額を拡大する方針を示しているが、「一つの中国」に反する思想を持つ場合には、資格を取消すと明言している。
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