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ヨーロッパ駐在員報告
2000年5月 政治 駐在員 : 森貴志
ネット販売の消費者保護強化
ドイツ連邦議会は、インターネットや電話、ファックスなどによる通販関連のトラブルを防止し、消費者保護を強化することを目指した遠隔販売法を可決した。
同法は、EU指令を国内法化したものであるが、消費者をより手厚く保護する内容となっており、具体的には消費者が無条件で解約できる期間(クーリングオフ)を14日以内(EU法では7日以内)とし、販売者が契約条件など重要な情報を書面など保存可能な形で消費者に提供しない場合、さらに4ヶ月(EU法は3ヶ月)クーリングオフ延長が義務づけられる。
また、クーリングオフ期間中の解約経費は販売者の負担。ただし、ソフトウェアなどオンライン上で供給できるものは、返品前にコピーされたかが確認できないので解約は認められない。なお、同法は今年6月発効予定である。
インターネットの普及により電子商取引(eコマース)市場はドイツでも急速に拡大しており、ドイツ経済研究所は98年の年商26億マルクから2002年には1000億マルク規模に拡大すると予想している。
一方、商品テスト団体が昨年インターネット店舗150店に行なったアンケートによると、まったく問題のない店舗は全体の4割に過ぎず、残りの店舗では商品が送られてこない、返品の要求が認められない等のトラブルが見られたため消費者団体が、電子商取引に対しても一般商取引に匹敵する法的保護の確立を求めていた背景があった。
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