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東南アジア駐在員報告
2000年2月 政治 駐在員 : 篠原 清志
インドネシア、治安ばかりか政策も混乱
マルク州アンボン島での宗教対立や、アチェの独立問題ばかりでなく、これまで比較的治安が安定していた地域でも混乱が起きている。
シンガポールに近く開発が進むビンタン島でも、1月19日、リゾート用地買収に絡むトラブルで組織された住民による抗議団が、シンガポールや日本の企業が進出している工業団地を襲撃、発電所を占拠する事件が起きた。進出企業では、操業を停止し、撤退を検討するところもある。これに対して、ワヒド大統領は、投資家の利益は断固守るとの意志を表明。23日未明には、警察と軍の混成部隊が200人の抗議団を包囲、70人を逮捕した。なお、鎮圧時の衝突では銃も使われたとされる。
また、ワヒド政権が誕生した時に、バタム、ビンタン島を含むリアウ州3島を自由貿易区にするとしていたにもかかわらず、IMFとの間で融資の条件として、3島で認められている付加価値税の免税措置を3月いっぱいで終了するとの合意がなされていたことが明らかになって、バタム島に進出している企業では大きな反発が起きている。
インドネシアは、治安ばかりでなく、政策決定でも大きな混乱の中にある。
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