ここから本文です。
ヨーロッパ駐在員報告
2001年8月 政治 駐在員 : 森貴志
ドイツ内務省は、8月3日、労働市場の需給状況に応じて国外からの移民を受け入れることを柱とする「新移民法案」の概要を発表した。
これは、ドイツ国内で不足する熟練労働力を優先的に確保するため、職業経験や語学力などによる点数制度を導入するというものである。
これまで移民希望者は、滞在及び労働の二重許可を義務付けられていたが、これを廃止して、期限付き滞在許可か永住許可に一本化する方向である。内務省はこの法案を9月の閣議で正式決定、今年中の成立を目指すとしている。
具体的には、これまで移民希望者の審査などに当たってきた外国人難民認定局を移民・難民局に改組し、新たな点数制度による審査の厳格化を行い、 実際の受け入れに関しては、地域的に異なる労働力需要や外国人受け入れ態勢などを考慮し、各自治体に共同決定権を付与するものである。
また、コンピューター技術者など既に人手不足に陥っている労働分野については、始めから永住許可が取得できるよう特例を設けるとしている。
しかし、受け入れられる移民の具体的な人数や点数制の導入時期などについては明らかにされていない。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|