台湾駐在員報告
2016年11月 経済 駐在員 : 内藤晴仁
台湾の工作機械メーカーである友嘉実業集団(Fair Friend Group 以下「FFG」という)が、日本の中堅工作機械メーカーである新日本工機株式会社(本社:大阪市)を買収した。航空機部品加工等の大型工作機械を製造する新日本工機株式会社を取り込み、新たな販路の拡充を図るためと言われている。
FFGは1979年に台湾で設立、欧米、日本等の工作機械メーカー等を次々と買収、現在は86社(うち海外65社)をグループ傘下とする売上高世界第3位の工作機械メーカーである。
台湾企業が日本企業を買収するメリットは、日本に拠点を構えられること、日本市場へアプローチできること、日本企業の技術を活用し自社の技術力を増強できること等が挙げられる。FFGの朱総裁も日本企業を買収する理由のひとつとして「日本の高い技術力」を挙げ、台湾と日本の企業にとって相互補完となる連携を深めたいと述べている。
JETROの統計によると、台湾企業の2015年対日直接投資額は10年前の約3.3倍に増加している。台湾企業による日本企業の買収が一般化しつつあり、こうした台湾企業の買収の動向に注目していきたい。
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