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ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 東南アジア駐在員報告

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東南アジア駐在員報告

2006年5月 政治
駐在員 : 獅倉 浩


       4月12日、マレーシア政府はコーズウェイ(注1)に代わる新橋梁の建設計画を破棄すると発表した。橋の計画は、1996年にマハティール(当時マレーシア首相)がジョホール州を訪問した際に提案したもので、その後シンガポール政府との協議を重ね、最近マレーシア領部分だけを橋に付け替える計画案を発表した直後だけに、突然の発表に多くのシンガポール国民は驚いている。
       マレーシア政府が計画破棄に至った背景には、多くのマレーシア国民(主にジョホール州市民)が新橋梁建設に反対していることがあげられる。その建設反対の主因は、新橋梁建設の条件としてシンガポールから要求されている砂の供給(注2)と、シンガポール空軍機のマレーシア領空使用許可への不満であるといわれている。また、以前からの問題として、マレーシアからシンガポールに低額で供給し続けている水の料金を値上げできないことへの不満、シンガポールに永住権を持つ外国人のうち西マレーシア人のみが年金の受け取りを62歳に達するまで留保されていることへの不満など、両国間には様々な問題が山積されている。

    この件に関してマレーシア政府は、現時点でシンガポールと再度交渉の席に着く可能性を否定しながら、シンガポールと対立しているわけではなく、それ以外の件については今後もシンガポールとの友好関係は継続させていくとともに、相互の国民にとって最善の選択肢を選定していくと述べている。
    シンガポール政府も、本件はマレーシアの国内政治事情によるものであり、同国政府の決定を尊重するとともに、今後も両国間の良好な関係を推進するとコメントしている。
    両国間の関係は、政治、経済、文化、生活に至るまで密接に関係している。そのため摩擦も多く生じるが、同様に相手に対する寛容な態度も生まれてくるのであろう。

      (注1)コーズウェイは、1923年、シンガポールとマレーシアの間にあるジョホール水道を埋め立てて建設した両国を繋ぐ全長約1.2キロメートルの道路である。この道路は、両国を結ぶ動脈であり、1日当たり10万人が利用しているといわれている。埋め立てて建設した道路であるため通常の橋梁と異なり、船舶の航行ができないことや海流の流れを堰止めることによる水質汚濁が問題となっている。
      (注2)シンガポールは国土拡張のため埋め立てを続けており、そのための砂が必要である。埋め立てによる海洋環境の悪化をマレーシアの漁民等が不満に思っている。

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