中国駐在員報告
2023年11月 経済 駐在員 : 石川 祐介
今年8月に中国から日本への団体旅行が解禁となり、多くの中国人旅行者が日本を訪問すると期待された中秋節・国慶節(9月29日〜10月7日)の連休であったが、福島原発処理水の影響等もあり、日本の各地では、コロナ禍前のような中国人旅行客による賑わいは見られなかった。
中国文化部の報道によれば、連休中は国内旅行の伸びが顕著で、観光客数は8億2,600万人で対前年比71.3%増、対2019年比4.1%増、観光収入は7,534億元を超え、対前年比129.5%増、対2019年比1.5%増となった。海外への渡航者数等は発表されていないが、旅行各社が国内需要の喚起に努めたため、この連休は国内旅行が人気となったようだ。(1元≒20.5円)
省別の観光客数では、河南省(観光地:竜門石窟・少林寺など)がトップで8,481万人であった。次いで、安徽省が7,286万人、江蘇省が7,118万人、広東省6,386万人、四川省5,691万人、遼寧省5,596万人で上位6省が全体の約半分を占めた。
一方、観光収入では、江蘇省(観光地:蘇州水郷・南京明孝陵など)908億元、次いで河南省588億元、広東省572億元、安徽省496億元のほか、浙江省486億元、雲南省455億元が上位に入り、こちらも上位6省が全体の約半分を占めた。
10月25日には、国務院が2024年の連休を発表し、春節を従前の大晦日からの2月9日(金)〜15日(木)ではなく、新年からの2月10日(土)〜16日(金)とすることが話題となった。春節後の週末を重ねて大型連休とし、期間中の消費拡大を図るねらいがあると報じられている。
日本各地への直行便が復便する中、日本びいきの中国人個人旅行者は日本を訪れているものの、団体旅行客が戻らず全体的な盛り上がりに欠けた中秋節・国慶節の大型連休。春節では、中国人旅行者のマインドが再び海外・日本へと転じるかが注目されている。
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