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東南アジア駐在員報告
2000年10月 政治 駐在員 : 岩城徹雄
インドネシア、スハルト元大統領一族をめぐり緊張
インドネシアのスハルト元大統領の不正蓄財疑惑に関する訴えが、9月末に同氏の健康状態の不良を理由に却下されたことについて、ワヒド大統領は、「最高検察庁が指名しスハルト氏の診断に当たった医師が政治的に動いたのではないか」との懸念や、「不正蓄財疑惑以外の容疑で捜査できないか」との考えも示し、何とかして法廷の場に立たせようと模索している模様である。
また、スハルト氏の三男トミー氏は、9月13日に発生したジャカルタ証券取引所の爆破事件の容疑者として逮捕するようにとのワヒド大統領の指示もあったが、同容疑での逮捕はなかったものの、食糧調達庁との不正な土地交換の容疑で拘禁18か月の判決を受けた。ワヒド大統領は、トミー氏の恩赦の申請も認めない意向である。
ジャカルタでは、スハルト氏の公判が近づくと爆破事件やデモが起きて不安な状態が続いているが、スハルト支持派と反スハルト派の対立も懸念され、当面緊張が続くものと思われる。
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