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東南アジア駐在員報告
2002年8月 経済 駐在員 : 岩城 徹雄
ASEAN自動車裾野産業カンファレンス開催
7月9、10日の2日間、フィリピンのマニラでASEAN自動車裾野産業カンファレンスが開催され、自動車産業の関係者らでにぎわった。日本貿易振興会(JETRO)が主催し、ASEAN自動車連盟、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会が共催したこのイベントでは、日系自動車及び部品メーカーのほかフィリピンを始めとするASEAN各国の自動車部品メーカーが出展した展示会と、ASEANの部品メーカー向けのセミナーが開かれた。
展示会では、自動車や部品メーカーがこういう部品を調達したいという逆見本市の形式がとられ、多くの商談が行われた。東南アジアではこのような逆見本市の形式はあまり例をみないが、筆者が展示会場で話を聞いた日系メーカーの担当者は、東南アジアでの生産は一層のコストダウンのため現地調達率を高める必要があり、ローカル・サプライヤー(部品等を供給する地元企業)の存在は大きく、特にどの部品と限定せず良い製品は取り入れていきたいと話していた。日系各社は日本から調達関係部局の担当者を派遣したところも多く、展示ブースや個室では、初日の開催式典直後から商談が始まっているところが多く見られ、活況を呈していた。
また、セミナーではローカル・サプライヤー向けに生産性向上の事例報告などが行われた。(財)海外貿易開発協会(JODC)の技術者派遣プログラムにより成果が上がった事例4件がフィリピンなどの地場企業から発表された。「KAIZEN」(改善)プログラムにより不良品の率を大きく減らしたなどの実例を挙げてのレポートは、参加したローカル・サプライヤーにとって大いに参考になったようである。
出展者らが出席したレセプションでは、主催者の畠山JETRO理事長から、マニラに海外で3番目となる日本企業向けのビジネス・サポート・センターを整備し、日本からの投資支援につなげたいとの発表もあり、来賓のラモス元大統領も日本からの投資によるフィリピン経済の活性化に期待を寄せていた。
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