東南アジア駐在員報告
2019年4月 経済 駐在員 : 芦澤 裕之
タイからの訪日旅行者は昨年、初めて100万人の大台を超えて113万人となった。 JNTOの調査によると、訪日回数は2回以上のリピーターが約70%、団体ツアーではない個人旅行(FIT)が約75%を占める「成熟市場」となっている。また、観光庁の調査によると、タイからの旅行者のうち女性は60.8%で、特に「20〜40代の女性」が男女合わせた全旅行者の51.2%を占めるという結果が出ている。
2月から3月にかけて、この「20〜40代の女性」をターゲットとしたデジタル・メディアプロモーションを行った。目指すのは、「富士山を『体験』するなら静岡県」というポジションの獲得だ。観光庁の満足度調査によれば、訪日したタイ人は次回以降の日本旅行に「体感、体験」を求めている。静岡県には富士山を「体感、体験」させるコンテンツが充実しており、この分野に強みがあると考えたためだ。
1月末にタイ人の女性ライターを静岡に派遣し、取材を実施。静岡ツーリズムビューロー(TSJ)が用意する体験プログラムワンストップサイト「Mount Fuji Travel」に掲載されているパラグライダーやサイクリング、お菓子づくりを中心に体験してもらい、 SNSへの記事、動画の投稿や、タイ人女性に人気の旅行掲示板サイト「Pantip」への記事掲載を行った。
SNSへ公開した直後のタイ旅行博TITFでは、投稿を見た来場者から行き方を尋ねられるなど、上々の反応があった。また、SNSへの読者コメントも、サイクリングの申し込み方法、ガイドの有無、英語対応など、具体的に行動へ結びつく予感がするコメントが寄せられた。SNSの動画は投稿後わずか5日間で1万8千回再生され、Pantipに掲載された記事の閲覧数は2週間で19万5千回となるなど、大きな反響を獲得している。
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