東南アジア駐在員報告
2015年4月 社会・時事
駐在員 : 吉住理恵子
「アジアのベストレストラン50」の発表と授賞式が、3月9日にシンガポール・セントーサ島のホテルで開催された。2013年に地域大会として独立開催するようになり今年で3回目の開催となる。南アジア、東南アジア、東アジア各国のレストランが対象に、世界各国の料理評論家やシェフ、レストランオーナーなどからの投票によってランキングが決まる。
国別では、中国(16店)、次いでシンガポール(10店)、日本(8店舗)で、金融と情報の集積のある香港、シンガポールが依然強い印象だが、今年はフィリピンとカンボジアからも1店舗ずつがランクインし、アジア各国で確かな実力を持つ高級食市場が広がっている観もある。
静岡県関係では、シンガポールのマリナベイサンズに店を構える浜松市出身の和久田哲也シェフのWAKU GHINが昨年に引き続き、トップ10入りを果たすとともに、スポンサーであるダイナースクラブのライフタイム・アチーブメント・アワード(特別功労賞)を受賞した。天竜出身の小野二郎氏のすし店(東京)も44位に名を連ねている。
今年のアジア第1位は、バンコクのインド料理レストラン「ガガン」。一度訪問したことがあるが、コロニアルスタイルの一軒家レストランで、インド料理の伝統的なスパイスを使いつつ、わさびやのり、抹茶などの和の素材も取り入れ、新しい調理テクニックにより、インド料理の再構築を試みており、和食器を使ったり、注射器(!)に入ったソースが添えられたりと、ユニークな皿上の演出も印象的だった。タイで、インド人シェフが、タイ、インド、和の素材を駆使して作る料理を、タイのみならず欧米や日本の客が食べているという状況に、今のバンコクが持つ多様性を強く感じたことを思い出す。
個人的に気になるのは29位に入賞した「WASABI BY MORIMOTO」。インド・ムンバイでランドマーク的存在のタージマハル内ホテルにある創作和食のダイニングだが、名前に本県特産品の「WASABI」を冠する同店で、ベジタリアンの多いインド人のために考案したという名物メニューをぜひ食べて、ついでに「静岡県産わさび」を紹介してみたい。
このページに関するお問い合わせ
知事直轄組織地域外交局地域外交課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3066
ファクス番号:054-221-2542
kokusai@pref.shizuoka.lg.jp