台湾駐在員報告
2024年2月 社会・時事 駐在員 : 市川 美奈子
1月13日、台湾では4年に一度の総統選挙が行われた。世界が注目する総統選を是非この目で見届けたいと思っていたところ、弊所のスタッフから「開票作業は誰でも見学できますよ。外国人でもOK」との驚きの情報を得て、息子や友人一家と共に、投開票場に足を運んだ。
投開票場は近隣の小学校。16時に投票が締め切られ、締切後に開票作業が始まる。コロナ禍中、デジタル行政で世界からの称賛を集めた台湾だから、投開票もきっとデジタルに違いない・・・と、勝手に思っていた。しかし投票は日本と同じく、紙に候補者の氏名を記入して投票箱に入れていくスタイル。開票は1組数名で行われ、投票箱から票を取り出して紙に書かれた氏名を読み上げる人、氏名を復唱して規定の用紙に「正」の字で得票数を記入する人、それらの作業に間違いがないか目視で確認する人などから成り立っており、意外なほどにアナログであった。ただし開票状況の途中経過は選挙管理委員とおぼしき人がグループLINEで報告するなど、デジタルとアナログの融合度合いが興味深かった。
今回の選挙の結果、民主進歩党(民進党)が、台湾史上初となる「3期連続政権」を担うことになった。現副総統の頼清徳(らい・せいとく)氏は、今年5月に新総統に就任する。ただし立法院(議会)の第一党は中国国民党(国民党)という、「ねじれ」状態だ。今後の政権運営に注目したい。
【投票場所を伝える貼り紙】
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