台湾駐在員報告
2021年8月 社会・時事
駐在員 : 宮崎 悌三
18 歳以上の全市民を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種希望登録が始まった。前月号では接種するワクチンは選べないと書いたが、接種希望を登録する専用サイトでは、ワクチンを複数の選択肢から選ぶことが可能となった。専用サイトが運用されるとアクセスが集中し、一時つながりにくい状態になるなど、接種を希望する市民が多いことが覗えた。
7月26 日現在、1回でも接種した人数(接種率)は人口の約3割で、台湾当局は10 月末までに接種率6割の達成に自信を示しているが、ワクチン接種を希望する人数に比べてワクチンが不足している状況だ。
この状況を打開するため、台湾の民間企業・団体もワクチン確保に動いている。TSMC(台湾積体電路製造)や鴻海精密工業など、それぞれ半導体受託製造や電子機器受託製造における世界最大手企業に加え、仏教系慈善団体の慈済基金会は、それぞれ500 万本のワクチンを購入する契約を中国の企業と結び、併せて1,500 万本を台湾当局に寄付する予定だ。
一方で、台湾で独自に開発したワクチンの認可も近いとされており、デルタ株の侵入を水際で何とか食い止めている台湾にとって、市民の健康と経済への負の影響を抑えるため、官民挙げてのワクチン確保が当面続く。
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