中国駐在員報告
2018年9月 経済 駐在員 : 土屋 岳久
日本では、子どもの頃に割りばしと紐、スルメを使って近所の小川でザリガニ釣りをした人も多いと思うが、中国では、そのザリガニが夏の味覚として街中を席捲しているといっても過言ではない。
中国農業農村部漁業漁政管理局が本年6月に発表した「中国ザリガニ産業発展報告2018」によると、2017年の中国全土におけるザリガニの経済総生産値は約2,685億元(約4兆5,645億円)で、2016年に比べ83.15%増である。
上海市内に目を向けると、一般の路面店から高級ホテルまで、様々なレストランでザリガニを前面に打ち出した料理やバイキングなどの企画を実施している。あるホテルのザリガニバイキングは258元(約4,400円)と安価なこともあり、1カ月先まで予約で埋まっているという状況であった。
ほかにも、ケンタッキーフライドチキンで「ザリガニチキンツイスター」(ザリガニ肉と鶏肉のラップサンド)という商品が発売されたり、中秋節のお祝いに欠かせない月餅も伝統的な小豆や豚肉の餡ではなくザリガニ餡の商品が販売されたりと、ザリガニブームはとどまるところを知らない。
ちなみに先のサッカーワールドカップにおいては、10万匹のザリガニが試食イベント等のため中国からロシアへ輸出されたことが大きなニュースになっていた。
ザリガニの旬は6月から8月までなので、皆さんも来年の夏には是非、ザリガニを食べに中国へ足を運んで欲しい。
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